家族信託で後悔してしまうケースとは?対策も併せて解説
家族信託は、認知症対策として注目されています。
しかし、便利そうだからと安易に始めてしまうと、思わぬトラブルや後悔につながるケースが少なくありません。
今回は、家族信託で後悔しやすいパターンや、対策などについて解説いたします。
家族信託で後悔しやすい主なケース
家族信託で後悔しやすい主なケースは、以下のとおりです。
- 家族・親族の関係が悪化する
- 自分たちで契約書を作成したことで信託内容に乖離が生じる
- 信託内容の負担が重く受託者が疲弊する
それぞれ確認していきましょう。
家族・親族の関係が悪化する
家族信託は「誰を受託者にするか」、「誰がどれくらい得をするか」がはっきり見える仕組みです。
そのため、長男だけが受託者になったり、一部の子どもに有利な内容になっていたりすると、他の兄弟姉妹が疑心暗鬼になり、信頼関係が崩れてしまうことがあります。
自分たちで契約書を作成したことで信託内容に乖離が生じる
家族信託は柔軟性が高く、契約の内容を当事者同士で自由に設計できる点が大きな魅力です。
しかし専門的な知識がないまま自作の契約書で設定を進めると、当事者間で条項の理解にズレが生じるリスクがあります。
信託内容と実際の運用意図に乖離が生まれ、本来期待していた利益が得られなかったり、紛争に発展する可能性も出てきます。
信託内容の負担が重く受託者が疲弊する
受託者は、信託契約のもと、財産管理や運用などのさまざまな手続きを行わなければなりません。
信託事務を担うことによって受託者が疲弊してしまい、実生活に悪影響を及ぼす可能性があります。
家族信託で後悔しないための主な対策
家族信託で後悔しないためには、以下のような対策を検討してください。
親が元気なうちに動き出す
信託契約は親の意思能力がある段階でなければ成立しません。
親がまだ十分に意思決定できる時期に始めれば、意図した信託設計を進められます。
最初に家族全体で方向性を共有する
家族信託は家族の合意形成が重要です。
受託者や受益者、財産をどう扱うかなどを、最初の段階で家族全体が共通認識として持っておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。
税金・ローンの影響を必ずチェックする
信託財産を設定する過程で、登録免許税や不動産取得税などが発生する場合があります。税務面の見落としは後に大きな負担になるため、慎重に確認してください。
信託に強い専門家に任せる
家族信託は柔軟な仕組みですが、法律の知識が要求される場面も多くあります。
信託の設計・契約書の作成・登記・税務面の確認など、信託に詳しい司法書士などの専門家のサポートを受ければ、家族信託を安心して運用しやすくなります。
まとめ
家族信託は、認知症対策に役立つ一方、仕組みをよく理解せずに進めてしまうとさまざまなリスクがあります。
後悔を避けるためには、親の判断能力がしっかりしているうちに検討・手続きするなど、いくつかのポイントを押さえなければなりません。
不安がある場合は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。