取締役が辞任した際の役員変更登記と添付する必要書類
取締役が辞任した場合、会社は法務局へ役員変更登記を申請する義務を負います。
申請には期限が定められており、期限を過ぎると代表者個人に過料が科される可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、取締役が辞任した際の役員変更登記と添付する必要書類について順に紹介します。
取締役の辞任にともなう役員変更登記の基本
取締役が辞任した事実は、登記簿上の役員情報と一致させる必要があるため、必ず変更登記が必要です。
申請期限と過料のリスク
会社法915条1項では、登記事項に変更が生じたときは2週間以内に変更登記を申請しなければならないと定められています。
取締役の辞任の場合は、辞任の効力が発生した日の翌日から起算して2週間が期限です。
この期限を過ぎても登記申請自体は受理されますが、会社法976条に基づいて代表取締役個人に100万円以下の過料が科される可能性があります。
辞任の事実を放置すると会社の信用低下にもつながるため、速やかな対応が望まれます。
辞任後の人員要件にも注意
取締役の辞任によって法定員数や定款で定めた員数を下回る場合、辞任した取締役には後任が就任するまで権利義務取締役として職務を継続する義務が生じます。
この場合、辞任の登記だけでは完結せず、新任取締役の選任とあわせて登記申請を行わなければなりません。
取締役会設置会社では3名以上の取締役が必要となるため、辞任前に後任の選任手続きを並行して進めるとスムーズに対応できます。
取締役辞任登記の必要書類
辞任登記に添付する書類は、辞任する取締役の地位によって異なります。
通常の取締役と代表取締役では、求められる書類の範囲が変わる点に留意が必要です。
通常の取締役が辞任する場合
代表権を持たない取締役が辞任する場合に必要な書類は次のとおりです。
- 変更登記申請書
- 辞任届
- 委任状(司法書士など代理人に依頼する場合)
辞任届に押印する印鑑は認印でも問題ありませんが、辞任の意思を明確にし、後のトラブルを防ぐ観点から実印を使用するケースも多く見られます。
登録免許税は資本金1億円以下の会社で1万円、1億円を超える会社で3万円となります。
代表取締役が辞任する場合
代表取締役が辞任する場合は、次のいずれかの追加要件を満たす必要があります。
- 登記所に届け出た会社代表印を辞任届に押印する
- 個人の実印を辞任届に押印し、市区町村発行の印鑑証明書を添付する
これは本人確認を厳格にすることで、辞任届の真正性を担保するための要件です。
代表取締役の辞任によって代表者が不在となる場合は、後任の代表取締役選任手続きも同時に進める必要があります。
まとめ
取締役の辞任にともなう役員変更登記は、辞任の意思表示が会社に到達した日から2週間以内に申請しなければなりません。
通常の取締役と代表取締役では添付書類が異なり、特に代表取締役の辞任では押印や印鑑証明書の取扱いに注意が必要です。
取締役の辞任にともなう役員変更登記でお困りの際は、司法書士法人TOTまでお気軽にご相談ください。