【司法書士が解説】任意整理をすると賃貸契約に影響はある?
任意整理をすると賃貸契約に影響はあるのでしょうか?
今回の記事では「任意整理とは何か」「任意整理をすると賃貸契約に影響はあるのか」などについて解説します。
任意整理とは?
「任意整理」とは、貸金業者やクレジットカード会社などの債権者と直接交渉して、借金などの返済の負担を減らしてもらうことをいいます。
裁判所を通さずに貸金業者やクレジットカード会社と返済期間を直接交渉し、手続きを行います。
任意整理すると現在住んでいる物件の賃貸契約に影響はあるのか
任意整理しても現在住んでいる物件の賃貸契約に影響することはありません。
理由として、借地借家法 第28条には「建物の賃貸人による建物の賃貸借の解約の申入れは、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない」とあり、賃貸物件からの立ち退きは、正当事由がなければできないからです。
立ち退き要求が認められる正当事由は、借主が家賃を何ヶ月も滞納していたり、騒音や異臭など他の入居者への迷惑行為があったりする場合です。
任意整理は賃貸物件の契約解除の正当事由ではないため、影響はありません。
参照:e-Gov法令検索
現在の賃貸契約の注意点
任意整理しただけでは現在の賃貸契約に影響することはありませんが、家賃をクレジットカード払いにしている場合は注意が必要です。
任意整理するとクレジットカードの更新ができず、使用不可になる可能性があります。
家賃の支払いをクレジットカードから口座引き落としに変更しましょう。
また、クレジットカード会社が賃貸保証会社の場合、賃貸の契約更新ができない場合があります。
賃貸保証会社は契約更新時、家賃の支払い能力や各種ローンの契約情報などを調べます。
その際、任意整理をしていることが分かると保証契約を断られてしまう可能性もあるでしょう。
任意整理をすると今後の賃貸契約に影響はあるのか
引っ越しなどで新たな賃貸契約を結ぶ際には注意が必要です。
賃貸契約を結ぶ際、入居者の家賃を貸主に保証する会社である賃貸保証会社とも契約をする必要があります。
上述したように、賃貸保証会社は契約時、家賃の支払い能力などを調べる「個人信用情報機関」に連絡し、貸付金額や返済状況、収入などを照会します。
任意整理をしていると審査に落ちて借りることができない場合もあるため注意してください。
まとめ
任意整理をしても、現在住んでいる賃貸契約に影響はあまりありませんが、新たな賃貸契約を結ぶ際は注意が必要です。
任意整理をしていて新しい賃貸契約を結びたい場合、司法書士などの専門家に相談するのがおすすめです。
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- 経歴
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奈良県出身。
大学卒業後、司法書士を目指したが、数年間は不合格が続く。
26歳のとき司法書士の資格を取得。
30歳で上京し、都内の司法書士事務所で約5年経験を積む。
平成20年リーマンショックの翌日、アイクス司法書士事務所を開業。
東京司法書士会所属第4070号
簡裁訴訟代理関係業務認定番号第801015号
※簡裁訴訟代理権とは簡易裁判所で扱う訴額が140万以下の民事訴訟に対して司法書士が当事者の訴訟代理人として出廷し交渉できる権利のことです
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リンク | 司法書士法人TOT 新宿オフィス(旧事務所名 高田馬場法務事務所) 代表社員 沖丈晴 |